Challenge
石油やガスの探査などに使用されるカスタム設計の掘削リグの開発と検証を迅速化する。
Solution
SOLIDWORKS Standard設計ソフトウェア、SOLIDWORKS Professional設計ソフトウェア、SOLIDWORKS Simulation Professional解析ソフトウェアの各ソリューションを導入。
Results
- 開発期間を50%短縮
- カスタム設計のリグ開発のスループットを倍増
- 重量を10%削減
- 製作とアセンブリの問題を解決
石油やガスの探査などに使用されるカスタム設計の掘削リグの開発と検証を迅速化する。
SOLIDWORKS Standard設計ソフトウェア、SOLIDWORKS Professional設計ソフトウェア、SOLIDWORKS Simulation Professional解析ソフトウェアの各ソリューションを導入。
Paranthaman Exportersは、石油やガスの探査などに使用される掘削リグを製造するインド企業PRD Rigs社の輸出部門です。1972年に設立され、350以上のリグを設計・製造して世界の国々に輸出しています。卓越した輸出実績が認められて、2005年から2014年まで連続してIndian Regional Export Awardを受賞しました。同社の掘削リグは、アフリカを中心に需要がますます高まっており、その成長が止まる様子はありません。PRDのリグは現在、世界30か国で使用されています。同社は最近、鉱物探査や地質工学の分野で使用される幅広い種類の掘削製品を開発・製造して、拡大を続ける採掘・建設機械市場で利益を創出しようと、製品開発の多様化に着手しました。新たな用途には、井戸掘削リグ、杭打リグ、地盤掘削リグ、発破孔リグ、コア ドリル リグ、リバース サーキュレーション リグなどのカスタマイズされたリグがあります。2011年まで、Paranthaman Exportersは、AutoCAD® 2次元設計ツールと手計算を併用してリグ構成部品の設計と検証を行っていました。しかし、顧客の要求が厳しくなり、開発の迅速化、3次元での設計レビュー、有限要素解析(FEA)シミュレーション テクノロジーを使ったリグの性能の検証が求められるようになったことから、開発プラットフォームを2次元から3次元に移行せざるを得なかったと、設計責任者のRamesh Rajamani氏は言います。「お客様から時間を半分に短縮するよう要請された当時、2次元でのカスタム掘削リグの設計を完成させるまでに最短でも30日はかかっていました」とRamesh氏は振り返ります。「競争力を高めるには、開発の加速、FEAを使った設計検証、2次元設計の機器の製造時にありがちな製作の問題の解決が必要でした」。Paranthaman Exportersは、SOLIDWORKS Standard設計ソフトウェア、SOLIDWORKS Professional設計ソフトウェア、SOLIDWORKS Simulation Professional解析ソフトウェアの各ソリューションを導入しました。SOLIDWORKSが選ばれた理由は、使いやすいこと、完全に統合されたFEAシミュレーション ツールを利用できること、対価格効果に優れていることでした。「SOLIDWORKSは、非常に使いやすく、インドで最も普及している3次元設計ソリューションです」とRamesh氏は言います。「また、当社のお客様やパートナーの大半が使用しています」
SOLIDWORKSの設計・解析ソリューションの導入以降、Paranthaman Exportersの開発サイクルは半分に短縮され、カスタム リグの開発スループットは2倍に向上しました。同時に、2次元環境で頻発していた製作やアセンブリに関する問題も解消されました。「お客様は、このカスタムリグのすべての製造図面を15日以内に完成させることを私たちに要求していました」とRamesh氏は言います。「2次元の設計環境では、リグの図面を30日未満で完成させるのは不可能です。SOLIDWORKSを導入することで、お客様の要求を確実に満たせるようになり、設計サイクルを50%短縮して、競争力を飛躍的に高めることができました。また、干渉/衝突検知などのツールを使用してクリアランスや整列の問題を3次元で解決できるので、2次元でよく発生する製作やアセンブリの問題とそれに伴う手戻りを抑えられます」とRamesh氏は付け加えます。
SOLIDWORKS Simulation Professionalを使って、リグの重要構成部品だけでなく個々のサブアセンブリにも線形静的応力解析を実行しています。この機能のおかげで、リグの強度と性能を維持したまま、その重量を10%削減できました。
SOLIDWORKS Simulation Professionalを導入したことで、Paranthaman Exportersは部品とアセンブリ両方のFEAスタディを実施し、リグの性能を検証できます。この機能によって、機器の強度と性能を高めると同時に、リグの重量と材料の使用量および関連コストを減らせるようになりました。「当社のリグはトラックの荷台に取り付けられることが多いので、あらゆる部分の材料と重量を減らす必要があります」とRamesh氏は強調します。「SOLIDWORKS Simulation Professionalを使って、リグの重要構成部品だけでなく個々のサブアセンブリにも線形静的応力解析を実行しています。この機能のおかげで、リグの強度と性能を維持したまま、その重量を10%削減できました」
Paranthaman Exportersは、SOLIDWORKSに移行したことによって自社のサービスの付加価値を高め、顧客の生産性向上にそれまで以上に貢献しています。たとえば、3次元での作業は以前より迅速に進み、テクニカル ユーザー マニュアルの作成や提供に時間を割けるようになりました。SOLIDWORKS eDrawings®ファイルを利用することで、顧客がどこにいても設計情報を伝達できるようになり、少なくとも1つのケースでは、機器を改良してオペレータの数を減らすことができました。「井戸の掘削用のPRD Auto Loader Rigは、アームを自動化してロッド操作を容易にすることで、オペレータ1名と補助者3名が必要だったのがオペレータ1名のみで済むようになりました」とRamesh氏は言います。「SOLIDWORKSプラットフォームに移行して生産性が向上したことで、このようにお客様の利益になるイノベーションを実現できるようになりました」