住友重機械工業株式会社の完全子会社であるSumitomo (SHI) Cryogenics of America, Inc.(SCAI)は、医療、半導体、フラット パネル、一般塗料などの各業界や研究機関向けに、革新的なクライオジェニック ソリューションや真空ソリューションを提供している世界的な大手プロバイダです。SHI Cryogenics Groupは、アジア、ヨーロッパ、米国に事業拠点を構え、50年以上にわたり高品質の低温貯蔵庫や真空装置を製造してきました。SCAIはSHI Cryogenics Groupの北米部門で、ペンシルベニア州アレンタウンを拠点としています。SCAIは、革新的なクライオポンプやクライオクーラーの設計など、最新のクライオジェニック技術や真空技術を活用した製品応用の開発に取り組んでいます。2013年まで、SCAIのクライオジェニック システムでは、半導体製造装置やMRI(磁気共鳴画像)装置に使用される冷却システムなど、4K〜10Kの極低温(およそ華氏マイナス450度)で使用される製品をサポートするためヘリウムガスを使用していました。製図管理者のKeith Jaworski氏によると、SCAIでは高度な装置を開発するため、ある3次元設計パッケージを導入していましたが、開発サイクルの短縮、お客様とのスムーズなやり取り、経験豊富な人材確保を実現するため、2013年に従来のプラットフォームを新しいものに置き換える決断をしました。「それまで使用していたプラットフォームは、ユーザーが減少していたため、業務を委託できる人を見つけるのも大変でしたし、そのプラットフォームを使用しているお客様も少なくなっていました」とJaworski氏は振り返ります。「当社は標準インターフェイス装備のクライオクーラーを製造していますが、お客様の大半は大規模な設計に当社システムを組み込むことを希望され、それにはある程度のカスタマイズが必要です。エンジニアや設計者の確保だけでなくお客様とのやり取りを考えると、より広く使用されている3次元設計システムに移行するほうが得策だと考えました」SCAIは、主要な3次元CADシステムを試した結果、SOLIDWORKS ソリューションに標準化することに決め、SOLIDWORKS Professional設計ソフトウェア、SOLIDWORKS Premium設計解析ソフトウェア、SOLIDWORKS Professional製品データ管理(PDM)ソフトウェアの各ソリューションを導入しました。SCAIがSOLIDWORKSプラットフォームを選んだ理由は、使いやすさに加え、多くのユーザーが存在し、SCAIのほとんどのお客様にとって望ましい環境だったからです。「SOLIDWORKSを使用している人材はすぐに見つけることができます。SOLIDWORKSに移行したことで、お客様と効果的にコラボレーションできるようになりました」とJaworksi氏は話します。
よりスピーディに、より正確な設計を実現
SCAIでは、SOLIDWORKSの開発プラットフォームに移行してから、設計サイクルが短縮され、短期間で市場に投入できるようになり、設計の精度も向上しました。これは、くり返し設計をチェックするなどの無駄な手作業が解消されたことが一因です。「SOLIDWORKSのおかげで時間を節約でき、スピーディなプロセスが実現しました」とJaworski氏は強調します。「SOLIDWORKSで設計変更を行うと、アセンブリと関連図面に自動的に反映されるため、変更内容を詳細に記述したり、設計図を見ながら関連データを確認したりする必要はありません。これにより、設計の確認に必要な時間が30%から50%短縮されました」。また、シニア設計者のMark Schwandt氏は「SOLIDWORKSによって、より速くより正確に設計できるようになりました」と付け加えます。「特に、SOLIDWORKSの板金設計機能は大いに役立っています。今では、10~15個の板金部品に穴が並んでいるかどうかなんて心配する必要はありません。SOLIDWORKSを活用すれば、穴の位置を指定できます」