Square Robotは、同社にとって最適なクラウドベースのコラボレーション ソリューションを3D Component Designerに見いだしました。これは、SOLIDWORKSデスクトップソフトウェアとシームレスに連携する3DEXPERIENCE®プラットフォームの、データ管理およびライフサイクル管理ソリューションの1つです。「私たちは、より多くのエンジニアがコラボレーションして追加のロボット設計を行うという、以前のアプローチでは実現不可能な開発領域に到達しました。SOLIDWORKS代理店のTrimech Solutionsが私たちに3DEXPERIENCEソリューションを紹介してくれたタイミングも、これ以上ないというほど絶妙でした」O’Connell氏は言います。
「システムの設計や事業の立ち上げの際に、最高の人材がどこにいても連携できる環境が整っていない場合は、問題が起こります」こう話すのは、Square Robotの共同設立者であるWill O’Halloran氏です。「しかし、3DEXPERIENCEプラットフォームのようなクラウドベースのテクノロジーがあれば、そういう環境が実現します。このプラットフォームがあったおかげで、設計変更を即座にシェアできて、誰が何をやっているかをすぐに把握することができました。しかも、私たちはまだ始めたばかりなのです。設計を製品開発の他のステップにつなげるという部分はとくに、探求の余地がたくさんあることでしょう。」
効果的なコラボレーションが開発を加速
SOLIDWORKSのデスクトップ ユーザーは3D Component Designerから3DEXPERIENCEプラットフォームに接続できるため、Square Robotはデスクトップ オーサリング アプリケーションから直接、製品設計データやドキュメントを管理できるようになりました。3D Component Designerを使うことで、高額のコストを投じたり、導入済のSOLIDWORKSを他のものに置き換えたりすることなく、クラウドベースのプラットフォームでこれまで以上に効率的なコラボレーションを行えるようになったため、同社の開発サイクルが迅速化し、市場投入時間が短縮しました。「3DEXPERIENCEプラットフォームのおかげで、私たちのコラボレーションは急速に発展しました。トップレベルのアセンブリ オーガナイザーを必要とせずに、複数のユーザーがアップロードしたデータにすぐアクセスできるようになりましたし、SOLIDWORKS Pack and Goでデータのアーカイブができました」O’Connell氏は強調します。
「このソリューションを導入したことで、開発チーム内のコミュニケーションが活発になり、チーム全体の効率性が改善されたために、以前には起こっていたスケジュールの遅れがなくなり、開発期間の短縮が実現しました」同氏は説明を加えます。
リビジョン管理を強化
構成部品やアセンブリのリビジョン履歴を1ヵ所に保管できる3D Component Designerの機能により、Square Robotは面倒なリビジョン管理から解放されました。SOLIDWORKSのソリューションが同社にもたらしたのは、緊密なリビジョン管理と形式化されたワークフローです。これは、規制当局の承認と認定を必要とする製品メーカーにとって極めて重要です。
「Square Robotの無人タンク検査機は、防爆区域の作業認定を受けたロボット固有のリビジョンを管理するために、詳細な規制プロセスを経なければなりませんでした」O’Connell氏は指摘します。「今では、3D Component Designerは当社エンジニアの日々のワークフローの一部となり、CADデータのライフサイクルの変更を簡単に管理するのに役立っています。これは、SOLIDWORKS環境から一歩も外へ出ることなく、承認済みのリビジョンとリリース済みのリビジョンへの変更を防止できていることを意味します」
ロボットによる燃料タンクと床面の検査に成功
3DEXPERIENCEプラットフォームを活用して開発プロセスとロボット第1号の認定プロセスを早めたSquare Robotは、2019年5月、自律型ロボットの展開に成功します。それは、Square Robot初の稼働中検査が成功した日でもありました。検査場所は、エネルギー、製造、物流を多角的に展開する企業、Phillips 66の地上式ディーゼル燃料貯蔵タンク内部でした。タンクから燃料を抜かずに底面の完全性を評価でき、コストを大幅に削減できるうえに、ロボットが撮影するタンク内部の高精細映像を通して、沈殿レベルやコーティングの状態を把握できるようになったのです。