Challenge

技術的な課題を克服し、電気駆動、バッテリー技術、次世代車両の開発を促進して、急速に発展する電気自動車および電動自転車市場のシェアを獲得する。

Solution

SOLIDWORKS Professional設計ソフトウェアとSOLIDWORKS Premium設計・解析ソフトウェアの各ソリューションを導入。

Results

  • 開発期間を70%短縮
  • シャーシ構成部品の強度と重量を最適化
  • 試作品の必要性を排除
  • 3年間で400%の会社成長

Rimac Automobili d.o.o. は、高性能な電動車両、ドライブ トレイン、バッテリー システムを開発・製造しています。同社は、創立者Mate Rimac氏が古いBMWをレース仕様の電気自動車に改造したのが始まりです。電気駆動とバッテリー技術を研究する中で、電気自動車のあらゆる部品を改良し、各分野の専門家と協力して次世代のスーパーカーの製作を目指しました。Rimac氏の古いBMWは最終的にRimac Automobili e-M3となり、これをテスト車両として、世界初の電気ハイパー カーRimac Concept Oneに組み込まれるバッテリー技術、バッテリー管理システム、推進駆動が開発されました。2011年に多才な設計者とエンジニアが集まり、クロアチアのザグレブ近くにある施設で会社を設立したとき、真に革新的な電気自動車の開発を支援する強力な3次元設計および解析ツールが必要になりました。機械エンジニアのBoris Tarnovski氏によると、Concept One開発用の3次元設計プラットフォームの選択肢は明白でした。それは、SOLIDWORKS 設計ソフトウェアです。「クロアチアのほとんどの機械エンジニアはSOLIDWORKS設計ソフトウェアの使い方を知っています。大学でとても多く使われ、クロアチアでは機械部品のモデリングに最も使用されているソフトウェアです」とTarnovski氏は述べます。「SOLIDWORKSソフトウェアは、最も使いやすい3次元システムであるだけでなく、価格に対して最も充実した機能を備え、コスト パフォーマンスが最高のソリューションでもあります。統合された応力解析ツールを車両のシャーシやサスペンションの最適化に活用し、設計の視覚化ツールによってプレゼンテーションに高品質なグラフィックを使用できます」。Rimac Automobili社は、技術的な課題の克服と開発期間の短縮を目指し、Concept One開発の初期段階でSOLIDWORKS ProfessionalとSOLIDWORKS Premiumを使い始めました。
 

Concept Oneの開発の加速

SOLIDWORKS設計ソリューションを導入したRimac Automobili社は、Concept Oneの初代自動車をわずか6か月で完成させ、2011年にドイツで開催された世界最大の自動車展示ショーのフランクフルト モーター ショーで初の電気スーパーカーを披露しました。Concept Oneは、合計8台が生産される予定で、すでに4台が生産されています。Rimac Automobili社は、まったく新しいモデルの開発に着手し、さらに多い生産台数で2017年に登場しています。「SOLIDWORKSツールで開発期間を短縮でき、予想された設計サイクルの70%を削減できました」とTarnovski氏は強調します。「このプロジェクトに参加した開発チームの大多数は、自動車業界で働いた経験がありません」とTarnovski氏は続けます。「革新的なアイデアとアプローチで真新しい電気自動車の設計を実現できましたが、ほぼ不可能とも言える期限がありました。SOLIDWORKSを使用して新しいアイデアをすぐに検証でき、概念実証をラフスケッチして、最善の結果を進めることができます。SOLIDWORKSを導入したことで、業界最先端のテクノロジーを開発し、予想よりもわずかな期間で開発を完了できました」

SOLIDWORKSを使用して新しいアイデアをすぐに検証でき、概念実証をラフスケッチして、最善の結果を進めることができます。SOLIDWORKSを導入したことで、業界最先端のテクノロジーを開発し、予想よりもわずかな期間で開発を完了できました。

Boris Tarnovski氏
機械エンジニア

部品の軽量化、性能の最適化

Rimac Automobili社は、SOLIDWORKS Premium構造解析ツールを使用して、部品を可能な限り軽量化しながら強度を最適化しました。特にシャーシ開発でこれに力を入れています。これらの機能により、同社は時間とコストのかかる試作品サイクルを完全に排除できました。「SOLIDWORKSの応力解析機能をサスペンションとシャーシの各種部品に用いることで、軽量化しながら強度を維持できる方法を見つけることができました」とTarnovski氏はコメントします。「たとえば、高性能と長距離の走行を実現するには多くのバッテリー容量が必要ですが、これにより重量が増加します。SOLIDWORKS Simulationツールで、大型のバッテリー パックを保持するスプリング式のブラケットを作成して、他の部品の初期重量を減らし、できるだけ重量を分散させました。これはSOLIDWORKS Simulationの多くの機能のほんの一例で、性能を検証しながら試作品を排除し、より軽量でバランスの取れたシャーシと車両に仕上げることができました」
 

電動自転車への展開

Rimac Automobili社の世界初の電気スーパーカー開発を支援したSOLIDWORKSソリューションは、この新しい自動車メーカーが他のビジネスに参入するに至った業界最先端技術の開発にも貢献しました。「当初は、Concept Oneに全力で取り組みました」とTarnovski氏は言います。「各車輪に1台、合計4台のモーターの独立制御や、最適な車両ダイナミクス アルゴリズム、小型の高電力密度バッテリー パックなど、この車で開発したテクノロジーは、Greyp電動自転車のようなその他の製品の開発機会につながっています。Greyp自転車はすぐに大ヒットしました。世界で60台以上販売し、今後6か月もフル稼働で生産します。当社は3年間で400%成長し、成功を収めています。その要因の1つに、SOLIDWORKSソフトウェアによる製品開発のスピードアップが挙げられます」