Challenge

プラスチック射出成形に伴う金型修正の反復作業の工数を最小限に抑え、社内コストを削減し、市場投入期間の要件を満たす。

Solution

SOLIDWORKS機械設計環境に、SOLIDWORKS Plastics Premium射出成形シミュレーション ソフトウェアを追加する。

Results

  • 金型または機械工具開発期間を数週間短縮

  • 金型修正の反復作業工数を最小限に抑える

  • 金型充填シミュレーションの精度を向上

  • 不要な金型の繰り返し作業に要するコストを削減

Plastic Components, Inc.は、世界各国のお客様に対して1か月に2,000万個超の部品を出荷しており、小型・中型のプラスチック射出成形部品を扱っている世界トップ レベルのメーカーです。1989年に設立された同社は、10,000平方フィートの建物に設置した3台の成型機を駆使して飛躍的な成長を遂げました。現在は、2か所の自動化された製造施設を展開し、総面積75,000平方フィート超の生産環境を運用しています。

ビジネス開発マネージャーのRick Riesterer氏によると、新しい技術を活用してお客様の期待を上回ったことが、同社の急速な成長の一因であると述べています。「Plastic Componentsは、金属材料からプラスチック材料への転換の限界に挑んでおり、射出成形部品の品質に対するお客様の信頼を高めたいと考えています。当社は、製造する部品の品質を絶えず改善できる技術を探して利用しています。また、製造にかかる時間とコストも削減しています」とRiesterer氏は説明します。

テクノロジーに対するこうした取り組みの結果、2006年にSOLIDWORKS 3次元設計ソフトウェアを標準にすることを決定。同社のエンジニアは、このソフトウェアを活用してお客様のコンポーネント設計を支援しています。2016年、経営陣は金型充填シミュレーション機能を強化し、金型修正の反復作業工数を減らす決断を下します。部品の納期を短縮し、不要なコストをなくすためです。

「金型充填シミュレーション機能を新たなレベルに引き上げ、市場投入までの期間短縮というお客様の目標を支援すること、そして当社の内部コストを削減することを目指しました」とRiesterer氏は述べています。「そこで私たちは、市場にある上位4つの金型充填シミュレーション ソリューションを総合的に評価し、既知の問題がある部品について各ソリューションをベンチマーク評価しました。各ソリューションの精度を評価し、それぞれの結果が実際のコンポーネントとどう相関するか判断しました」

精度と予測可能性、データ出力、使いやすさと一貫性、サポートの質という観点で各ソリューションをベンチマーク評価した結果、同社は、SOLIDWORKS Plastics Premium金型充填シミュレーション ソフトウェアを選択しました。「SOLIDWORKS Plastics Premiumは、精度の高さ、使いやすさ、SOLIDWORKSモデリング ソフトウェアとの統合性に加え、SOLIDWORKS代理店のGSCによる高品質のサポートが決め手となり、最も高い評価を受けました。私たちはGSCに対し、SOLIDWORKS Plastics Premiumを踊るようにスムーズに機能させたいという課題を出しました。彼らのサポートのおかげで、このソフトウェアを円滑に利用できています」とRiesterer氏は話します。

SOLIDWORKS Plastics Premiumソフトウェアは、充填後の成形過程、サイクル最適化、冷却解析、ソリ予測など、高度な機能を提供しています。このため、複雑な成形シナリオのシミュレーションが可能になり、お客様の市場投入までの時間が短縮され、社内の発売コストを削減できます。

Rick Riesterer氏
ビジネス開発マネージャー

「試作品作成と修正」の削減

Plastic Componentsでは、サンプリングまで検出されないことが多かった射出成形の問題を、SOLIDWORKS Plastics Premiumでエンジニアがシミュレーション時に指摘できるようになったため、Riesterer氏が「試作品作成と修正」と呼ぶ反復作業が最小限に抑えられています。「サンプリングから承認までお客様のコンポーネントの品質を確認するプロセスを『試作品作成と修正』と呼んでいます」と同氏は説明します。

「私たちはお客様と協力して、設計コンセプトを検証し、製造性、機能、アセンブリを確認してから金型の開発に着手しています」とRiesterer氏は続けます。SOLIDWORKS Plastics Premiumソフトウェアを追加する前は、複雑なコンポーネントについては1回目の成形試作時に問題を発見することが普通でした。こういった場合は2回目、3回目、あるいはそれ以上の試作が必要でした。この種のコンポーネントに対する私たちの目標は『試作品作成と修正』までの応答時間を削減することです。理由は2つあり、お客様の市場投入までの時間の目標達成を支援すること、そしてバックエンドのコストを削減することです。SOLIDWORKS Plastics Premiumソフトウェアは、充填後の成形過程、サイクル最適化、冷却解析、反り予測など、高度な機能を提供しています。このため、複雑な成形シナリオのシミュレーションが可能になり、お客様の市場投入までの時間が短縮され、社内の発売コストを削減できます」

精度の向上による時間とコストの節約

Plastic Componentsでは、金型修正の反復作業に伴う時間とコストが問題であるため、この作業を最小限に抑えることが重要です。Riesterer氏は次のように述べています。「1回の『試作品作成と修正』には2~3週間かかり、数千ドルのコストが発生します。その後の反復作業にかかる追加料金を請求できないため、可能な箇所でコストを削減することが不可欠です」

統合型のSOLIDWORKS Plastics Premiumソフトウェアを導入したことで精度が向上し、金型や機械工具を製造する前に、欠陥のあるゲート スキームや位置が合っていないニットライン、ガス トラップ、適切に充填されないエリアなど射出成形の問題を特定できるようになりました。その結果、反復作業で発生する時間とコストの削減に成功しています。「お客様の最優先事項は、市場投入までの期間を短縮することです。コストの抑制は当社の最大の関心事です。SOLIDWORKS Plastics Premiumは、この2つを実現するために必要な、精度の高い金型充填シミュレーションを提供します。当社にとってもお客様にとっても良い結果をもたらしてくれるのです」とRiesterer氏は強調します。

反復作業を最小限に抑え、ビジネス開発や研究開発の時間を増やす

SOLIDWORKS Plastics Premiumソフトウェアによってもたらされたメリットは、金型修正に費やす不要な反復作業を排除できたことだけではありません。新規ビジネスの開拓や研究開発の面でも利点がありました。「この機能のおかげで、新規ビジネスを獲得でき、研究開発に対するサポートも改善しています」とRiesterer氏は話します。

「ある新規のお客様から、圧力を受けた状況で使用されるミッションクリティカルなコンポーネントの製造プログラムを調査してほしいと依頼されました」と同氏は続けます。「私たちは、SOLIDWORKS Plastics Premiumシミュレーションを実行してゲート スキームを調査し、問題を発見しました。そして、その問題を解決する新しいゲート スキームをお客様に提示した結果、契約を獲得することができました。SOLIDWORKS Plastics Premiumソフトウェアを利用して金型充填プロセスを適切に予測することで、業務が効率化されるだけではありません。射出成形製造に最先端のテクノロジーを取り入れ、研究開発を加速することができます」