IDEX® Health; Scienceでは、研究所のサンプル処理の課題が革新をもたらしています。IDEX CorpのIDEX Health; Scienceでは、バルブ、ポンプ、マニホールド、継手、注入器、チューブ システムなど、マイクロフルイディクス精密システム構成部品を製造しています。これらの部品は、液体クロマトグラフ、質量分析計、DNA解析システムなどの高度な検査機器に使用されています。
機械設計エンジニアのKevin Longley氏によると、競争の激しい検査機器市場ではスループットの最大化が極めて重要であるといいます。「研究所のスループットを上げれば収益も増えます」とLongley氏は説明します。「圧力を高めてより多くのサンプルをカラムに通すことで、スループットを増やすことができます。最初の高圧液体クロマトグラフィー バルブは500psiでした。現在IDEXで開発するRheodyne®バルブは30,000psiの圧力で処理します。そのため、ごく微量(0.1マイクロリットルなど)の体積を非常に高い圧力で加圧しています。それは、スループットを上げ、研究所が器具をより低価格で購入できるようにするためです」
同社のエンジニアは、画期的なマイクロフルイディクス技術を実現するため、設計とシミュレーションの統合ツールを必要としていました。2001年IDEXは、Pro/ENGINEER®ソフトウェアからSOLIDWORKSの統合ソリューションに移行する決定を下しました。「使いやすく、トレーニングが充実しており、優れた構造・流体シミュレーションツールを利用できることから、IDEXではSOLIDWORKSを標準にしています」とLongley氏は説明します。「SOLIDWORKSを使用していると、ソフトウェアの存在に気づかないことがあります。作業が遅れることもないですし、複雑な手順も必要ないからでしょう。自分がやっている作業の一部としか感じません」
IDEXは、SOLIDWORKS Professional設計ソフトウェア、SOLIDWORKS Premium設計解析ソフトウェア、SOLIDWORKS Simulation PremiumおよびSOLIDWORKS Flow Simulation解析アプリケーション、SOLIDWORKS Enterprise PDM製品データ管理システムを120ライセンス取得しました。「SOLIDWORKSソリューションは直感的に操作できるため、ツールではなく設計そのものに集中できます。そのため、より高精度な設計を生み出すと同時に、開発プロセスを効率化できます」とLongley氏は述べています。
今後起きることをシミュレーションする
IDEXの設計が複雑になるにつれて、SOLIDWORKS SimulationツールとSOLIDWORKS Flow Simulationツールへの依存度も高まっています。「私たちの作業の大半は手動ではほぼ不可能です」とLongley氏は強調します。「当社で使用しているチューブは直径1/32インチですが、内径は0.004インチです。こうした小さな管にごく少量の流体を高圧で通過させるため、シミュレーションは不可欠です。その他については、混合および構造有限要素解析(FEA)を含む流体シミュレーションを実施します」
「当社のバルブは、分解されるほどの荷重を受けるので、プロジェクトのすべてのリンクで有限要素解析(FEA)を実行する必要があります」とLongley氏は続けます。「試作品を作成する前に、解析を実行し設計の妥当性を確認します。当社が製造するすべてのバルブに対して解析を行います。設計プロセスにSOLIDWORKS Simulationを組み込んだおかげで、これまで必要だった試作品作成の繰り返しを90%削減できます」