Challenge

品質、コスト、納期、サービスの改善を達成しながら、製造効率の向上を図り、電気テスターと計測器の開発を推進する。

Solution

SOLIDWORKS Premium設計・解析ソフトウェアとともに、認定ゴールド製品のSimpoeWorksプラスチック射出シミュレーション ソフトウェアを導入。

Results

  • 設計サイクルを30%短縮
  • 市場投入期間を30%短縮
  • 開発コストを30%削減
  • 試作サイクルを30%削減

HIOKIといえば、電気計測器やテスターの代名詞です。日置電機株式会社は、75年以上にわたって電気計測業界をリードし、さまざまな用途に対応する計測器やテスターを製造してきました。現在、長野県に本社と製品開発拠点を構え、グローバルに事業を展開し、自動テスター、メモリレコーダー、電気計測器、現場測定器のフル製品ラインナップを提供しています。長年、同社の設計者とエンジニアはME10® 2次元設計ツールを使用して製品開発を行ってきました。しかし、1990年代の半ば、QCDS(品質、コスト、納期、サービス)改善イニシアチブを推進するために3次元技術に転換したと、同社技術本部開発支援課マネージャーの水出博司氏は語っています。「当社は1995年にPro/ENGINEER®ソフトウェアを使い始めましたが、これは価格が高く、使い勝手も良くありませんでした」と水出氏は説明します。「私たちは、製品開発部門内や、金型メーカー、製品担当者との設計情報のやり取りを効果的に行えるように、各設計者に3次元CADライセンスを支給したいと考えていました。安価で使いやすい3次元設計ツールを必要としていたのです」。当時発売されていた3次元設計パッケージを評価した結果、1998年にSOLIDWORKSソフトウェアに一本化することに決めました。 現在、QCDSプログラムをさらに推進するために、SOLIDWORKS Premium設計・解析ソフトウェアを32ライセンス導入しています。SOLIDWORKS Premiumは、使いやすく安価なだけでなく、統合された設計ビジュアル化ツール、シミュレーション ツール、コミュニケーション ツールも搭載しています。また、SOLIDWORKSソフトウェアでは、従来の2次元データと3次元データも必要に応じて再利用できます。「設計者とエンジニア全員に3次元CAD環境を提供することで、設計意図を正確かつ効果的に伝達できるようにし、設計品質の向上、リードタイムの短縮、優れた製品の迅速な提供を目指していました」と水出氏は強調します。「SOLIDWORKSのおかげで、当社はこうした目標を達成できました」
 

CircuitWorksとコンフィギュレーションによって設計を迅速化

SOLIDWORKS Premiumを導入した日置電機は、開発サイクルを4か月近く短縮できました。つまり、30%も削減できたことになります。この改善によって、市場投入期間を30%短縮でき、開発コストも30%削減できました。水出氏は、SOLIDWORKSのコラボレーションやコミュニケーションの機能がこうした生産性の向上をもたらしていると考えています。たとえば、日置電機はCircuitWorks™の機能を使用して、計測器設計の電子面と機械面を統合しています。「時間を節約する1つの方法として、CircuitWorksと設計コンフィギュレーションツールを組み合わせています」と水出氏は述べています。「私たちは2つのPCB(プリント基板)モデルと添付図面を作成する必要があります。一方の基板にはすべての電子構成部品を記述し、もう一方の基板には何も記述しません。SOLIDWORKSはこうした作業にとても効果的で、プロセスの多くのステップを省略できます」

SOLIDWORKS Premiumのシミュレーション機能を使うことで、ソフトウェア上で多くの試作品を作れるようになり、物理的な試作品の数を減らすことができました。

水出博司氏
技術本部開発支援課マネージャー

設計と金型の性能をシミュレーション

日置電機が開発コストを削減できたのは、時間の節約による部分もありますが、主な要因はSOLIDWORKSソリューションを使用して試作サイクルを30%削減できたことです。水出氏によれば、SOLIDWORKS Premiumの設計解析ツールとSOLIDWORKS認定ゴールド製品のSimpoeWorks®ソフトウェアのプラスチック射出シミュレーション機能を使用することで、日置電機の設計者とエンジニアは設計性能を検証できるようになり、その結果、金型メーカーとのやり取りを効率化し、試作品の数を削減することができたということです。「SOLIDWORKS Premiumのシミュレーション機能を使うことで、ソフトウェア上でたくさんの試作品を作れるようになり、物理的な試作品の数を減らすことができました」と水出は指摘しています。「また、SimpoeWorksソフトウェアによって、金型への樹脂充填のシミュレーションが可能になり、金型メーカーとのやり取りを効率化できました。担当者からの問い合わせ件数が減り、修正が必要なエラーも減少しました」
 

世界最高峰の電力計を開発

日置電機は、SOLIDWORKSソフトウェアによって生産性の大幅な向上を達成しただけでなく、製品の品質を向上させ、製品の機能を拡大し、業界イノベーションを実現しました。最近発売されたHIOKI Power Analyzer 3390は、クラス最高峰の製品であり、電力をより高い精度で計測することができます。Power Analyzer 3390を設計した同社技術本部エンジニアリング マネージャーの臼井隆之氏は、インバーター関連やモーター関連の電流を計測するための画期的な製品を開発する上でSOLIDWORKSソフトウェアが発揮した効果を評価しています。「SOLIDWORKSソリューションは、世界最高の電力計の設計に役立ちました」と臼井氏は語っています。「装置には約1,000個の部品とアセンブリが存在します。SOLIDWORKSを利用することで、私たちは市場最高の製品を記録的なリードタイムで提供することができました」