Challenge

有人および無人商用機用の二重反転式ローターヘリコプター技術の開発を推進し、改善する。

Solution

SOLIDWORKS Premium設計・解析ソフトウェアとSOLIDWORKS Composerテクニカルコミュニケーションソフトウェアの各ソリューションを導入。

Results

機能試作機を18か月で開発
開発期間を数年短縮
試作品コストを数十万ドル節約
ヘリコプターの安全性と安定性を向上

オーストラリアを拠点とするCoaX Helicopters Ltd.は、有人および無人機用の二重反転式ローターヘリコプター技術の商用化を進めています。二重反転式ローターヘリコプターは、かつては軍用のみでした。米国海軍のGyrodyne QH-50無人二重反転式ローターヘリコプターは対潜作戦プラットフォームの一部として30年にわたって運用されました。CoaX Helicopters社は、この技術の開発権を取得し、商用の機能試作機を短期間で製作しました。安全性、経済性、性能、許容荷重を向上させて、ヘリコプター業界に革命を起こしています。一般的なヘリコプターは、機体上部に単一ローターを搭載し、このメインローターが誘発する機体トルクをテール部分の小型ローターで制御します。二重反転式ローターヘリコプターは、それとは異なり、同じ大きさの2つのローターを同軸に上下に重ねて搭載します。2つのローターは、同一の回転軸で互いに逆方向に回転します。この逆回転によって、互いが誘発するトルクを相殺します。そのため、二重反転式ローターヘリコプターは、一般的なヘリコプターよりも安定し、より安全かつ効率的に飛行できます。マネージングディレクターのPeter Batten氏によると、Gyrodyneの技術を2次元原設計図とともに取得したCoaX Helicopters社は、設計を文書化して商用製品向けに改良と最適化を進めるための開発プラットフォームが必要になりました。「開発を継続するには、まず2次元設計データを有効な3次元ジオメトリに変換しなければなりませんでした」とBatten氏は説明します。「他社もこの技術の導入を試みましたが、多くは試行錯誤のエンジニアリングに頼るしかなく、非常にコストのかかるものでした。私たちはそれとは異なり、ほとんどの開発を3次元設計システムで完了する迅速で低コストなアプローチをとりました」。さまざまな3次元設計パッケージを評価したCoaX Helicopters社は、開発用にSOLIDWORKS Premium設計・解析ソフトウェアを選択し、設計の製造準備用にSOLIDWORKS Composer™テクニカルコミュニケーションソフトウェアを選択しました。CoaX Helicopters社がSOLIDWORKS Premiumを選択した理由は、使いやすさ、頻繁な設計変更への対応能力、統合された設計シミュレーション機能でした。「SOLIDWORKSにより、私たちは開発作業を文書化して実証することができます」とBatten氏は強調します。「SOLIDWORKSを使えば、モジュラー形式で非常にコスト効率よくシンプルかつ正確に設計の限界に挑戦できるのです」

ヘリコプターの開発を加速

CoaX Helicopters社は、SOLIDWORKS Premium設計ソフトウェアを使用して、機能試作初号機の開発、設計、製造、テストを1年半という短期間で完了できました。「二重反転式ローターヘリコプターは、よく練られた技術です。私たちの課題は、最新の材料と技術を用いて旧バージョンを短期間で再設計して再び息を吹き込むことでした」とBatten氏は言います。「SOLIDWORKSにより、私たちは1年で体制を整え、試作機をわずか18か月で製作して飛ばすことができました。そこから得た知識とSOLIDWORKSの機能を活用して、より大型で性能の高い試作機の開発を進めています。有人実験機の開発が極めて短期間で完了したことも、大きな成果でした」とBatten氏は補足します。「SOLIDWORKSを導入することで、5人のエンジニアによるチームの開発期間を数年短縮できました。率直に言って、SOLIDWORKSなしでは、現在進めている機体開発や使用している多くの部品の実用化をこれほど短期間ではできなかったでしょう」

SOLIDWORKSを導入することで、5人のエンジニアによるチームの開発期間を数年短縮できました。率直に言って、SOLIDWORKSなしでは、現在進めている機体開発や使用している多くの部品の実用化をこれほど短期間ではできなかったでしょう。

Peter Batten氏

マネージングディレクター

試作コストと製造コストを抑制

CoaX Helicopters社は、SOLIDWORKS Premiumに統合された有限要素解析（FEA）ツールも活用しました。このツールで安全性と性能を検証することで、数十万ドルの試作コストと製造コストを節約しています。「二重反転式ローターヘリコプター開発の商用化における私たちの基本理念は、安全性を最優先することです」とBatten氏は強調します。「設計が機能することはわかっていますが、多数の試作機の製作とテストなしで性能と安全性を検証できる必要があります。SOLIDWORKS Premiumを使うと、安全性、耐久性、性能に関する設計解析を短時間で行えます」とBatten氏は続けます。「たとえば、SOLIDWORKS Simulationを使用して、燃料タンクサポートの強度を検証し、ねじれ応力を確認し、重要な部分の振動を抑制しました」

技術の効果を実証し、製造に向けて準備

SOLIDWORKS Premium設計・解析ソリューションで開発を進めているCoaX Helicopters社は、SOLIDWORKS Composerテクニカルコミュニケーションソフトウェアも活用しています。このソフトウェアでは、技術を見込み顧客や投資家に説明したり、有人/無人ヘリコプター設計を製造とアセンブリに向けて準備したりできます。「SOLIDWORKS Composerを使用すると、完成品を表現したイメージや技術の仕組みを解説するアニメーションを作成するだけでなく、製造品の図面を起こし、準備を進めることもできます」とBatten氏は説明します。「SOLIDWORKS Composerでは、航空機全体のアセンブリ図や分解図を提示し、言語に頼らない製造指示書やアセンブリ指示書を作成できます」とBatten氏は言います。「話す言語にかかわらず、各地域の製造施設やアセンブリ施設を適切に稼働させて、生産を迅速に進めることができます」