Challenge

製造機械の電気キャビネットと制御システムの開発を合理化して、時間の短縮、コストの削減、スループットの向上を実現する。

Solution

既存のSOLIDWORKSの機械設計環境に、SOLIDWORKS Electrical 3Dを追加する。

Results

  • 電気設備の設計時間を50~75%短縮
  • BOMの生成時間を数時間から数分に短縮
  • 電気回路の品質、精度、外観を向上
  • 機械設計と電気設計のコラボレーションを強化

CNC Solutions LLCは、大手メーカー向けの工場オートメーションおよび設備ソリューションの設計、組み立て、製造を手がけています。同社の基幹事業は、高品質な工業用オートメーションおよび製造エンジニアリング サービスを必要とするさまざまなOEMやエンド ユーザーを対象とした、電気および機械システムの統合とオートメーション システムです。CNC Solutionsは、システム統合テクノロジに精通し、機械とプロセス制御の両方をサポートする高品質なプラント自動化ソリューションを提供しています。

70年以上にわたって機械ツールの自動化と統合に携わってきたCNC Solutionsは、設計、エンジニアリング、製造の最新テクノロジを常に取り入れ、オートメーション統合の戦略的なシングル ソース パートナーとともに顧客にソリューションを提供しています。同社は、数年前にSOLIDWORKS®を導入し、さまざまな形で生産性を向上させてきました。制御エンジニアのShawn Eckhardt氏によると、社内では電気設計でさらなる効率化を実現したいと考えていたそうです。

「当社は、電気キャビネットと制御システムの回路図の開発にAutoCAD® 2次元ツールを使っていました」とEckhardt氏は当時を振り返ります。「このアプローチは単調で時間がかかるため、もっと新しい3次元ソリューションを検討することに決めたのです。私たちは、電気設計と回路図開発を高速化するとともに、電気キャビネットを3次元で表示してワイヤやケーブルのルーティングを自動化し、部品表(BOM)情報の生成を合理化して、機械設計者と電気設計者による効果的なコラボレーションも促進したいと考えていました」

CNC Solutionsは、Autodesk、EPLAN、DS SOLIDWORKS社の3次元電気設計パッケージの評価を行った結果、SOLIDWORKS Electrical を選択しました。SOLIDWORKS Electricalが選ばれた理由は、使いやすいこと、SOLIDWORKSの機械設計ソフトウェアにアドインとして完全に統合できること、ワイヤやケーブルのルーティングとBOMの生成を自動化する機能を備えていることでした。「既存のSOLIDWORKS機械設計システムと完全に統合可能な3次元電気設計アプリケーションで作業できることは、言うまでもなくメリットでした」とEckhardt氏。「しかし、重要だったのは、製造部品ライブラリにアクセスできることでした。これにより、制御パネルやキャビネットのサイズの観点での要件をすばやく確認できます」

 

時間を短縮し、コラボレーションを強化

CNC Solutionsでは、SOLIDWORKS Electrical 3Dを導入して以降、電気設計にかかる時間が50~75%短縮されました。制御および加工機械を製造する同社は、共通のプラットフォームで作業するようになった機械設計者と電気設計者間のコラボレーションも強化され、統合型オートメーション システムの設計アプローチが改善され統合されました。

「SOLIDWORKS Electrical 3Dを導入したことで、コラボレーションが強化され、効率が向上し、キャビネットのサイズ設定がスムーズになりました」と、Eckhardt氏。「ブロックの代わりに本物のコンポーネントを入れて、所定の設置スペースに適合させられるようになりました。これで実際の設計をより正確に表すことが可能になり、見た目がよく正確な回路図を作成できます。

「すべてが相互に適合することを3次元で確認し、決断を早めに下せます」と、Eckhardt氏は続けます。「電気設計を迅速に完了することで、より多くのプロジェクトに対応できるようになり、生産時間が短縮され、処理能力が増加しました」

SOLIDWORKS Electrical 3Dを導入したことで、BOMの生成にかかる時間が数時間から数分に短縮され、出力されるBOM情報もより正確なものになっています。

Shawn Eckhardt氏
制御エンジニア

CNC Solutionsでは、SOLIDWORKS Electrical 3Dを導入して、共通の電気記号データベースを実装する前、機械設計の電気回路図の表示に一貫性がなく、電気技師が製造時に設計図から電気回路記号を手作業でたどることもよくありました。SOLIDWORKS Electrical 3Dには電気記号の共通セットと製造データベースが備わっているため、同社の電気回路図の品質、精度、外観の向上に役立ち、その結果として、製造時の手戻りが減少し、BOM情報を迅速に生成できるようになりました。

「SOLIDWORKS Electrical 3DでBOMが自動生成されることは、時間の大幅短縮に大いに役立っています」とEckhardt氏は強調します。「以前は、BOMデータを出力するために何時間もかけてスプレッドシートに手入力しなければなりませんでした。今ではボタンを数回クリックするだけで完了します。SOLIDWORKS Electrical 3Dを導入したことで、BOMの生成にかかる時間が数時間から数分に短縮され、出力されるBOM情報もより正確なものになっています」

 

次のステップ: ケーブル ルーティングの自動化

CNC Solutionsでは、オートメーション システム内部のワイヤやケーブルのルーティングにもSOLIDWORKS Electrical 3Dを活用しようと計画しています。「SOLIDWORKS Electrical 3Dのルーティング機能を使って、ケーブルとワイヤの配線状態を表示しようと考えています」とEckhardt氏は述べます。

さらにEckhardt氏は続けます。「当社の機械のアセンブリを行う製造担当者から、『この迷路のような機械コンポーネントの中でどのようにケーブルを配線すればよいのか』とよく尋ねられます」「私たちの目標は、SOLIDWORKS Electrical 3Dを使用して配線を3次元で視覚的に表示して、このプロセスから憶測での作業をなくすことです。このソフトウェアのワイヤとケーブルのルーティング機能は、モーターや信号ケーブルとの間に干渉が生じていないことの確認にも役立ちます」