多面的な製造サポート
CenturionによるSOLIDWORKSプラットフォームの活用は、多面的な製造プロセスをサポートする機械設備の迅速な開発にもつながっています。「当社最大の課題は、製品の作成、製造ライン、治具選別に関わる製造プロセスの多様性にあります」とBlackman氏は述べます。「こうしたソリューションはすべて社内で開発しています。つまり、設計のさまざまな側面に対応できるCADツールが必要だということです」
Blackman氏によると、「製造プロセスに対応するSOLIDWORKSツールの例として挙げられるのは、製造ラインとテーブルには溶接とソリット モデリング、治具テストには板金・ソリッド モデリング・CNC工作機械のファイル出力、治具アセンブリにはソリッド モデリング・シミュレーション・モーション解析、そして設備や金型の設計にはソリッド モデリング・サーフェシング・板金・金型設計・シミュレーション・プラスチック シミュレーションです」
「当社は常に、適正と信頼性の両方を備えた設計を実現するため、材料用途の最適化を試みています。そのため、設計を最適化する際に、さまざまな製造プロセスを評価しています」とBlackman氏は話します。「こうした評価を効果的に実施するには、多様な製造プロセスの設計が可能なツールが必要なのです。SOLIDWORKSを使用することで、変化していく製造手法に合わせた設計が容易になります」
金型の試作品の必要性を排除
SOLIDWORKS Plastics Professionalを導入することで、Centurionでは、金型試作品作成を2~3回ほど削減しています。このソフトウェアを使えば、最初から機能する金型を安定して製作できます。「当社が開発するほぼすべての製品に、射出成形部品が含まれます」とBlackman氏は指摘します。「多くの企業は、構成部品の正しい成型を保証するのは工具メーカーの責任だと主張するでしょうが、当社には、最初から正確な部品を作るための最適な環境があることを明確にしたいのです」
「射出成形部品の一部に海外のサプライヤを採用し始めた頃、コミュニケーションが課題でした。最終サンプルが承認されるまでに何度も何度も試行が必要な理由は、コミュニケーションにあると気付きました」とBlackman氏は付け加えます。「そのような遅延を許す余裕はないと判断し、SOLIDWORKS Plasticsを購入しました。このソフトウェアを使うと、成型の問題を生み出す設計ミスに対応でき、また、あらかじめ工具メーカーに問題を明確に示すことができます。そうすることで、正しい射出位置、空気トラップ(この部分に排気の設計が可能)を想定できる位置、ウェルド ラインを無くすためのゲート位置の変更、正常な射出成型に必要な機械のサイズについてのインサイトを与えることが可能です」
ビジュアリゼーションによるマーケティングと文書化の加速
Centurionはまた、SOLIDWORKS Visualize Professionalの写実的なレンダリング ソフトウェアも活用してマーケティング イニシアチブを加速するとともに、SOLIDWORKS Composer™ソフトウェアを使って、文書の作成も円滑化しています。両方のアプリケーションで、製品設計と特に関連していない重要機能について、SOLIDWORKSの3次元設計データを活用できます。
「製品のマーケティングを成功させるには、カタログやウェブの動画コンテンツに使う精度の高い画像をすばやくレンダリングできるツールが必要です」とBlackman氏は説明します。「当社はサブスクリプションを利用しているため、SOLIDWORKS Visualize Standardと一緒にSOLIDWORKS Premiumも使うことができます。SOLIDWORKS Visualizeを使って、設計者は頻繁に概念の画像をレンダリングして、社内のさまざまなステークホルダーに自分たちのアイデアを売り込んでいます。しかし、マーケティング チームは世界を相手に当社の製品を売り込まなければなりません。これが、SOLIDWORKS Visualize Professionalの購入を決めた理由です。YouTube®とFacebookの人気を利用して、当社がターゲットとする市場に訴求するコンテンツを作成したいと考えていました」
「当社ではSOLIDWORKS Composerを使って、すべての設置マニュアルを作成しています」とBlackman氏は語ります。「SOLIDWORKS Composerでは、開発プロセスのかなり早い段階でCADデータを使用することが可能になり、その結果、製品設計が完成するもっと前にマニュアルのレイアウトを始めることができます。そのため、グラフィック デザイナーが作業時間を大幅に削減でき、お客様にとって重要な情報に集中する時間が増えたのです。当社の製品はさまざまな国で販売されているため、Composerのようなツールは、何千文字もの文章を明確で簡潔なイラストに置き換え、導入マニュアルに使われる文字数を最小限に抑えるために必要不可欠です。
未来のアクセス制御製品を開発。SOLIDWORKSのソリューションを統合することで、Centurionはさまざまな機能を活用できるようになり、革新的な製品を開発して世に送り出すことにつなげています。最近の例はG-ULTRAリモート アクセス制御システムです。このシステムではGSM方式の携帯電話標準を使用して、多種多様な遠隔制御セキュリティとアクセス自動化アプリケーションを実現しています。「G-ULTRAはそもそも電気機械製品ですが、美しさと大きさも重視しなければなりませんでした」とBlackman氏は話します。「成功する製品を作るためには、SOLIDWORKSのエコシステムのあらゆる側面を利用する必要がありました」
「SOLIDWORKSは、Altium®の電気設計STEPファイルとシームレスに連動することができ、ECADおよびMCADでの作業プロセスが大幅に容易になりました」とBlackman氏は付け加えます。「SOLIDWORKS Plasticsを使えば、ツール設計とゲート位置をいろいろな角度から検討できます。また、SOLIDWORKS Composerを使って世界に通用するユーザー マニュアルを作成し、SOLIDWORKS Visualizeを使ってカタログ作成と動画公開を行っています。SOLIDWORKSを当社のソリューションとして導入したことで、世界レベルの製品設計が可能になっただけでなく、さまざまなアドインの機能を活用して、競争の先頭に立つことができています」