Challenge

Centurion Systemsは、住宅・商業・工業用の土地建物に出入りする人や車両の管理を目的とした、さまざまな賞を受賞できるほどの製品を製造する。南アフリカのヨハネスブルクに本社を構え、お客様の安全性と利便性を最大限に高める、ゲート自動化およびアクセス制御の製品を開発し、現在70を超える国々に輸出している。Centurionの目標は、開発を円滑化し、効率を高め、技術革新を促進して、アクセス自動化/管理製品のメーカーを発展させること。

Solution

SOLIDWORKS Standard設計、SOLIDWORKS Premium設計および解析、SOLIDWORKS Plastics Professional射出成形金型充填シミュレーション、SOLIDWORKS Visualize Professionalの写実的なレンダリング、SOLIDWORKS Composer Professionalテクニカル コミュニケーション、およびSOLIDWORKS PDM Professional製品データ管理の各ソフトウェア ソリューションを導入する。

Results

  • 製品の市場投入期間を66%短縮
  • 設計サイクルを50~66%短縮
  • 2回の余計な金型試作品製作を省略
  • 設計再利用により設計期間を50~75%短縮

Centurion Systemsは、住宅・商業・工業用の土地建物に出入りする人や車両の管理を目的とした、さまざまな受賞歴のある製品を製造しています。南アフリカのヨハネスブルクに本社を構え、お客様の安全性と利便性を最大限に高める、ゲート自動化およびアクセス制御の製品を開発し、現在70を超える国々に輸出しています。何十万ものシステムが世界中に設置されているCenturionの製品は、信頼できる革新的な製品と評価され、ゲートおよびアクセスの自動化を進める業界のニーズに応えています。

1986年の創業以来、Centurionは劇的な成長を遂げています。その要因のひとつは、研究、技術、開発への継続的な投資です。こうした投資には、常に最新のCADツールを使用して、革新的な概念を模索したり、既存の製品をアップグレードしたり、設備や金型を開発したりする取り組みが含まれます。たとえば、メカニカル マネージャーのMichael Blackman氏によると、Centurionは約20年以上も前にAutoCAD® 2次元設計ツールからSOLIDWORKS 3D製品開発プラットフォームへと移行した、3次元設計のアーリー アダプターでした。

「1998年より以前、Centurion Systemsで働く機械設計者は1人だけで、その設計者はAutoCADを使った経験がありました」とBlackman氏は説明します。「2人目として雇われた設計者は、SOLIDWORKSのほうが使い慣れていました。会社にとって、この状況は明らかにちょっとした難題だったので、両方の製品を評価したうえで、ひとつのプラットフォームを選択するように、と指示が出されたのです。結局のところ、AutoCADの設計者が方向転換し、1998年、Centurionが発展していくために選んだプラットフォームはSOLIDWORKSになりました」

Centurionは、SOLIDWORKSの3次元製品開発システムを使った標準化を選択しました。システムの使いやすさに加え、追加で組み込まれた設計とエンジニアリングのソリューションのすべてを利用できたことが選ばれた理由でした。1998年にSOLIDWORKSを導入して以降、Centurionは10人の社内設計者に対応するためにライセンスを追加しています。何年間かにわたって、CenturionはSOLIDWORKS Premium、SOLIDWORKS Plastics Professional、SOLIDWORKS Visualize Professional、SOLIDWORKS Composer、およびSOLIDWORKS PDM Professionalの各ソフトウェア ソリューションを導入してきました。

「設計、最適化、シミュレーション、視覚化、文書化、設備や金型の作成を単一の環境で実施することで、市場投入期間を大幅に短縮できます」とBlackman氏は強調します。「SOLIDWORKSがその製品で作り上げている優れたエコシステムでは、これまでよりも短い期間で設計者が製品を世に出すことが可能です」

製品の市場投入期間を短縮

SOLIDWORKSの導入以来、Centurionは新製品の開発期間を3分の1に短縮し、製品の市場投入を加速してきました。これにより同社は、提供する製品の革新と拡大を実現しています。Blackman氏は、このように生産性が向上した理由は、設計サイクルの短縮(期間を3分の1に削減)、設計再利用率の向上(設計期間を50~75%短縮)、製造設備や工具の迅速な開発(現場での製造を促進)であると考えています。

「設計にはこれまで長い時間がかかっていました」とBlackman氏は語ります。「設計時間はだいたい3分の1に短縮されました。以前の設計チームは規模が小さかったこともその一因ですが、当社が使用しているさまざまなSOLIDWORKSパッケージが生産性向上に影響していることは明らかです。当社は現在、プロジェクトの機械設計的な部分が、必要な管理業務とツーリング タスクよりも、劇的に少ない状態にあります。これは、SOLIDWORKSの拡張機能によるところが大きいと確信しています。

「SOLIDWORKSに用意されたさまざまなツールを活用することで、試作品作成の際に、ソリューションの設計とテストをすばやく進め、最終的に多様なファイルをさまざまな形式で送信できます。その結果、CAD環境内でアイデアが実現可能かどうかを迅速に見極め、さらに実際に動作するサンプルの試作品を作成してテストすることが可能になります。こうしたツールがなければ、2倍や3倍の時間を費やす可能性が簡単に生まれてしまうでしょう」

シミュレーションによる時間の節約と信頼性の確保
SOLIDWORKS Premiumシミュレーションを使用して、Centurionは製品開発にかかる時間を節約しながら、同時に設計を最適化して製品の信頼性を確保しています。「SOLIDWORKSによって当社の生産性が向上している理由は、設計者がCADシステム内で自分たちの設計をより的確に理解できるためです」とBlackman氏は指摘します。

また、Blackman氏は次のように語ります。「概念のモデル化、設計の物理的特性テスト、構成部品のインターフェイス確認、シミュレーションによる強度テスト、さまざまなオプションの概念化、設計アイデアの最適化と簡素化。設計者はこうしたことをすべて、試作品製作の前に実施できるのです。つまり、設計工程の繰り返しが最小限に抑えられ、プロジェクトの成果が向上するということです。シミュレーション ツールを使えば、試作品や高価な設備に費用を注ぎ込むよりずっと前に、設計の開発段階でアイデアをテストできます」

設計、最適化、シミュレーション、視覚化、文書化、設備や金型の作成を単一の環境で実施することで、市場投入期間を大幅に短縮できます。SOLIDWORKSがその製品で作り上げている優れたエコシステムでは、これまでよりも短い期間で設計者が製品を世に出すことが可能です。

Michael Blackman氏
R&Dメカニカル マネージャー

多面的な製造サポート

CenturionによるSOLIDWORKSプラットフォームの活用は、多面的な製造プロセスをサポートする機械設備の迅速な開発にもつながっています。「当社最大の課題は、製品の作成、製造ライン、治具選別に関わる製造プロセスの多様性にあります」とBlackman氏は述べます。「こうしたソリューションはすべて社内で開発しています。つまり、設計のさまざまな側面に対応できるCADツールが必要だということです」

Blackman氏によると、「製造プロセスに対応するSOLIDWORKSツールの例として挙げられるのは、製造ラインとテーブルには溶接とソリット モデリング、治具テストには板金・ソリッド モデリング・CNC工作機械のファイル出力、治具アセンブリにはソリッド モデリング・シミュレーション・モーション解析、そして設備や金型の設計にはソリッド モデリング・サーフェシング・板金・金型設計・シミュレーション・プラスチック シミュレーションです」

「当社は常に、適正と信頼性の両方を備えた設計を実現するため、材料用途の最適化を試みています。そのため、設計を最適化する際に、さまざまな製造プロセスを評価しています」とBlackman氏は話します。「こうした評価を効果的に実施するには、多様な製造プロセスの設計が可能なツールが必要なのです。SOLIDWORKSを使用することで、変化していく製造手法に合わせた設計が容易になります」

金型の試作品の必要性を排除

SOLIDWORKS Plastics Professionalを導入することで、Centurionでは、金型試作品作成を2~3回ほど削減しています。このソフトウェアを使えば、最初から機能する金型を安定して製作できます。「当社が開発するほぼすべての製品に、射出成形部品が含まれます」とBlackman氏は指摘します。「多くの企業は、構成部品の正しい成型を保証するのは工具メーカーの責任だと主張するでしょうが、当社には、最初から正確な部品を作るための最適な環境があることを明確にしたいのです」

「射出成形部品の一部に海外のサプライヤを採用し始めた頃、コミュニケーションが課題でした。最終サンプルが承認されるまでに何度も何度も試行が必要な理由は、コミュニケーションにあると気付きました」とBlackman氏は付け加えます。「そのような遅延を許す余裕はないと判断し、SOLIDWORKS Plasticsを購入しました。このソフトウェアを使うと、成型の問題を生み出す設計ミスに対応でき、また、あらかじめ工具メーカーに問題を明確に示すことができます。そうすることで、正しい射出位置、空気トラップ(この部分に排気の設計が可能)を想定できる位置、ウェルド ラインを無くすためのゲート位置の変更、正常な射出成型に必要な機械のサイズについてのインサイトを与えることが可能です」

ビジュアリゼーションによるマーケティングと文書化の加速

Centurionはまた、SOLIDWORKS Visualize Professionalの写実的なレンダリング ソフトウェアも活用してマーケティング イニシアチブを加速するとともに、SOLIDWORKS Composer™ソフトウェアを使って、文書の作成も円滑化しています。両方のアプリケーションで、製品設計と特に関連していない重要機能について、SOLIDWORKSの3次元設計データを活用できます。

「製品のマーケティングを成功させるには、カタログやウェブの動画コンテンツに使う精度の高い画像をすばやくレンダリングできるツールが必要です」とBlackman氏は説明します。「当社はサブスクリプションを利用しているため、SOLIDWORKS Visualize Standardと一緒にSOLIDWORKS Premiumも使うことができます。SOLIDWORKS Visualizeを使って、設計者は頻繁に概念の画像をレンダリングして、社内のさまざまなステークホルダーに自分たちのアイデアを売り込んでいます。しかし、マーケティング チームは世界を相手に当社の製品を売り込まなければなりません。これが、SOLIDWORKS Visualize Professionalの購入を決めた理由です。YouTube®とFacebookの人気を利用して、当社がターゲットとする市場に訴求するコンテンツを作成したいと考えていました」

「当社ではSOLIDWORKS Composerを使って、すべての設置マニュアルを作成しています」とBlackman氏は語ります。「SOLIDWORKS Composerでは、開発プロセスのかなり早い段階でCADデータを使用することが可能になり、その結果、製品設計が完成するもっと前にマニュアルのレイアウトを始めることができます。そのため、グラフィック デザイナーが作業時間を大幅に削減でき、お客様にとって重要な情報に集中する時間が増えたのです。当社の製品はさまざまな国で販売されているため、Composerのようなツールは、何千文字もの文章を明確で簡潔なイラストに置き換え、導入マニュアルに使われる文字数を最小限に抑えるために必要不可欠です。

未来のアクセス制御製品を開発。SOLIDWORKSのソリューションを統合することで、Centurionはさまざまな機能を活用できるようになり、革新的な製品を開発して世に送り出すことにつなげています。最近の例はG-ULTRAリモート アクセス制御システムです。このシステムではGSM方式の携帯電話標準を使用して、多種多様な遠隔制御セキュリティとアクセス自動化アプリケーションを実現しています。「G-ULTRAはそもそも電気機械製品ですが、美しさと大きさも重視しなければなりませんでした」とBlackman氏は話します。「成功する製品を作るためには、SOLIDWORKSのエコシステムのあらゆる側面を利用する必要がありました」

「SOLIDWORKSは、Altium®の電気設計STEPファイルとシームレスに連動することができ、ECADおよびMCADでの作業プロセスが大幅に容易になりました」とBlackman氏は付け加えます。「SOLIDWORKS Plasticsを使えば、ツール設計とゲート位置をいろいろな角度から検討できます。また、SOLIDWORKS Composerを使って世界に通用するユーザー マニュアルを作成し、SOLIDWORKS Visualizeを使ってカタログ作成と動画公開を行っています。SOLIDWORKSを当社のソリューションとして導入したことで、世界レベルの製品設計が可能になっただけでなく、さまざまなアドインの機能を活用して、競争の先頭に立つことができています」