CATAS S.p.A.は木材および家具産業で世界有数の研究実験機関です。イタリアの主要な生産地域であるサン・ジョヴァンニ・アル・ナティゾーネとリッソーネに研究施設があります。認定試験場のチームは科学者、エンジニア、数学者から構成され、木材/家具産業に応用研究の成果と認定試験サービスを提供しています。
CATASの技術部門と化学部門は、原材料と最終製品に様々な試験を実施し、製品が品質、安全性、強度、耐久性の点でメーカーの基準と規制要件を満たしているかどうか判定します。この試験は、国の規格(UNI、DIN、BS、NF、ASTM、ANSIなど)、ヨーロッパの規格(EN)、国際規格(ISO)に準拠して実施されます。CATASは、農業と食料品の分野にも調査領域を拡大し、環境への影響や持続性の評価も行っています。
管理ディレクターのAndrea Giavon博士によると、CATASはサービス内容の拡充に際し、試験、認定、機械設計、文書準備を効率的に行い、持続性を備え、試作品をすぐに製作できるデジタル技術の導入を検討しました。Dr. Giavon博士は次のように振り返ります。「私たちは、家具の試験にかかる時間と費用を減らす方法がないか探していました。試験用機材の使った物理的な試験以外に、家具の強度、安定性、安全性の試験をコンピュータ シミュレーションと解析サービスで行い、時間とコストを抑えることができないかと考えました」
CATASは最初、別のブランドのソフトウェアを検討しました。「このソリューションは使いにくく、目標の実現は難しいと判断しました」と上級技術者のMaurizio Marussi氏は話しています。「そこで、SOLIDWORKS® Simulationソリューションで、棚受けの強度と歪みを解析してみました。その結果、こちらのほうが使いやすいことが分かりました。問題の処理方法は非常に簡単で、この試験結果と物理的な試験結果が関連付けられて表示されます」
2012年、CATASはSOLIDWORKSソリューションを標準ツールとして採用し、SOLIDWORKS Professional設計ソフトウェア、SOLIDWORKS Simulation Professional解析ソフトウェア、SOLIDWORKS Composer™テクニカル コミュニケーション、SOLIDWORKS Sustainability環境診断ソフトウェアを導入しました。CATASがSOLIDWORKSソリューションの採用を決めたのは、使いやすく、完全に統合され、追加の試験、認定、機械設計、文書準備に対応し、この組織が必要とする持続性を備え、迅速な試作品の作製が可能な点です。
費用のかかる試験ではなく、正確なシミュレーション
SOLIDWORKS Simulation Professional解析ソフトウェアを使用することで、CATASは顧客の製品(手0ブル、椅子、机、キャビネットなど)に有限要素解析(FEA)を実行できるようになりました。この機能を使用すると、線形(スチールと木材)と非線形(プラスティック)の材料プロパティで応力と歪みの解析が可能になります。シミュレーションから提供された情報に基づいて、顧客は最もコスト効率の良い方法で潜在的な製品問題を解決できます。物理的な試験を行う前に、問題を特定、解決できるので、テストの繰り返しを最小限に抑えることができます。
「SOLIDWORKS Simulation Professionalの結果が速度と正確性の両方を満たしていました」とGiavon博士は話します。「たとえば、特定の負荷に対してソフトウェアが予測した金属の棚受けは、ほぼ完ぺきに試験結果と一致するため、解析は1日に1回で十分です。シミュレーションの結果を提供した顧客からの評価は肯定的なものが圧倒的に多く、このサービスは認定の取得をすばやく、コスト効率のよい方法で取得することができます。