Challenge

観測所、望遠鏡、施設のアップグレードとともに、さまざまな科学プロジェクトや実験を迅速に、簡単に、しかもコストを抑えながらサポートすること。

Solution

SOLIDWORKS Research 版 3D機械設計ソフトウェアを導入する。

Results

  • 開発サイクルを半分に短縮
  • 観測所におけるCADの応用範囲を拡大
  • ベンダーやパートナーとの互換性の向上
  • 設計の視覚化を向上

Canada-France-Hawaii Telescope(CFHT)Corporationは、ハワイ島(ビッグアイランド)にある標高4,200メートルの休火山、マウナ・ケア山頂の観測所に設置された世界有数の3.6メートル光学/赤外線望遠鏡を運営しています。CFHTは、研究コミュニティに汎用性の高い最新の天文学観測施設を提供することで、あらゆる研究の科学的目標の達成を支援するだけでなく、マウナ・ケアの研究サイトとしての可能性を余すところなく引き出しています。CFHT観測所が建設された1970年代には、図面を使って設計を行っていました。マウナ・ケア山とコハラ山地の中間に位置するワイメアの観測所本部には、大量の図面が保管されています。機器設計者/機械技師のGreg Green氏は、新たな機器の開発、観測所のメンテナンス、施設のアップグレードを行うには、レガシー データに頻繁にアクセスする必要があると述べています。「私たちは施設の設計を絶えずアップグレードしています」とGreen氏は説明します。「私の前任者は、10年前にAutodesk® Inventor®ソフトウェアを使って古い図面をすべて3Dモデルに変換しました」これまでに複数のCADパッケージを使用してきたGreen氏は、Inventorパッケージを使って新たな機器と施設のアップグレード設計をサポートしようとしました。しかし、すぐに新しい3Dソリューションを検討することになりました。「膨大な数のプロジェクトと定期的なアップグレードを抱えているため、既存の設計に効率的にアクセスして新たな要件を適用できれば、さらに効果的です」とGreen氏は説明します。「Inventorを試してみましたが、このソフトウェアは使いにくく、稼働には非常に強力なワークステーションが必要なので、観測所でノートブックPCを開いて使用するわけにはいきませんでした」Inventorを最初に試した後、Green氏は経営陣を説得してSOLIDWORKS® Research 版 3D設計ソフトウェアに一本化することで、設計の生産性を高めて、可視性を改善し、優れた携帯性を確保できました。「SOLIDWORKSソフトウェアを使用すると、生産性が大幅に向上します」とGreen氏は強調します。「上司は新たな設計をモデル化するSOLIDWORKSのスピードに驚きました。それが入れ替えを決断した大きな理由です」
 

アップグレードも迅速かつ簡単に完了

SOLIDWORKSソフトウェアに移行して以来、CFHTは機器や設備アップグレードの設計サイクルを半分に短縮できました。最近のドーム通気対策プロジェクトでは、大型のガレージ型ドアを設置する必要がありました。「SOLIDWORKSプラットフォームで快適に作業を進めることで、少なくとも2倍速く設計が完了しました」とGreen氏は語ります。「既存の3Dモデルや図面を開き、スケッチとして抽出する場合でも、SOLIDWORKSならばスマートにすばやく作業できます」とGreen氏は続けます。「すべての寸法が記載されたインテリジェントなSOLIDWORKSモデルがあれば、既存の形鋼梁を再利用して新しい梁を適用するなど、すでにある設計から一部を変更して設計を進めることができ、プロジェクトをよりすばやく簡単に完了できます」

既存の3Dモデルや図面を開き、スケッチとして抽出する場合でも、SOLIDWORKSならスマートにすばやく作業できます。すべての寸法が記載されたインテリジェントなSOLIDWORKSモデルがあれば、既存の形鋼梁を再利用した新しい梁に入れ替えるなど、すでにある設計から一部を変更して設計を進めることができ、プロジェクトをよりすばやく簡単に完了できます。

Greg Green
機器設計者/機械技師

携帯性、互換性、 パフォーマンス

SOLIDWORKSソフトウェアに移行したことで、CFHTは設計作業を観測所で完了できるようになり、複数ベンダーとの適合性も向上しました。「私たちの製造パートナーの多くは、他のCADパッケージではなくSOLIDWORKSを使用しているため、コラボレーションが非常にシンプルになりした」とGreen氏は説明します。「しかし、私が考えるSOLIDWORKSの利点は、ノートブックPCで稼働することです。観測所にいるときでも、設計作業を進めることができます」「Inventorでは、ソフトウェアの実行に大型のワークステーションが必要だったので、本部や機械工場で設計を進めるしかありませんでした」とGreen氏は続けます。「私は定期的に観測所に出向いて寸法を測定し、新しい設計をモデル化しなければなりません。そのたびにワークステーションを背負って山頂に登るのは不可能です。携帯性が重要なのです。SOLIDWORKSでは、ノートブックPCを持って観測所に行き、すぐ横のはしごに座りながらでも形鋼梁をモデル化できるのです」
 

MAUNAKEA SPECTROGRAPHIC EXPLORERを促進

CFHTは、Maunakea Spectroscopic Explorer(MSE:分光探査を専門とする10メートル規模の天体望遠鏡)の実装をサポートするため、SOLIDWORKSソフトウェアを使用しています。こうした施設として世界唯一のMSEは、現在の3.6メートル望遠鏡を、専用の分光探査セットで稼働する大型の広角望遠鏡に入れ替える予定です。光を構成要素の色またはスペクトルに分解することで、MSEは画像だけでは得られない貴重な情報を科学者にもたらします。「MSEプロジェクトでは、設計を周囲の景観モデルに組み込みました」とGreen氏は述べています。「コンサルタントはモデルを使用して風の流れや構造分析をサポートし、私はPhotoView 360を使用して夕暮れの景色やドームの断面図を盛り込んだ訴求力のある新施設の画像をレンダリングしました。SOLIDWORKSの設計可視化ツールにより、設計レビューを行うだけでなく、プロジェクトを広く一般にアピールできます」