2007年創業で、持続可能性の高い輸送システムへの移行を促進しているArcimoto, Inc.(NASDAQ:FUV)は、モビリティの新しい技術と様式を考案するとともに、電気自動車設計において環境効率、設置面積サイズ、手頃な価格の水準を引き上げています。社名の「Arcimoto」は「future I drive(私が運転する未来)」を意味しています。同社は電気自動車にファン ユーティリティ ビークル(FUV)カテゴリを確立することで、輸送システムの新分野を開拓しました。その後、Arcimoto初となった電動三輪自動車FUVを発表し、現在は目標購入価格$11,900で予約注文を受け付けています。
この10年間、Arcimotoは、一般ドライバーに適した最も手頃な価格で高性能な電気自動車を作るため、オレゴン州ユージーンにある本社と製造工場で研究開発の取り組みに注力してきました。「初期の概念開発はローテクな作業場で、限られた設計ソフトウェアを使い、手動で行っていました。ただ、間もなくして、競争力のある大量生産可能な製品を作るには、設計と解析に高度なエンジニアリング ツールを使う必要があることに気付きました」と話すのは、メカニカル エンジニア/PDMアドミニストレータのDiana Standish氏です。「2011年までは、正式なCADシステムがないままで運用していたのです」とStandish氏は説明します。「取り組みが進んで初期世代の概念が確実に進歩していた一方、特に設計チームが拡大していく中で、そうした方法のまま業務を進めるのは難しく、時間がかかっている状態でした。手間のかかる試作品製作の代わりに、ビジュアリゼーションとシミュレーションに対応し、最初の製品を製造する前に開発プロセスを合理化できるCADシステムが必要でした」
Arcimotoは最初にRhino®サーフェシング パッケージを使って製品設計を試しましたが、すぐに自分たちに必要なのは、機械設計、電気設計、エンジニアリング ソリューションと統合された3次元ソリッド モデリング システムだということに気が付きました。「当社が選んだのはSOLIDWORKS 設計プラットフォームでした。その理由は、使いやすく、強力な板金および溶接設計機能が搭載されており、総合的な統合ソリューション セット(解析ツール、製品データ管理(PDM)ツール、電気設計ツールなど)にアクセスできることでした」とStandish氏は話します。SOLIDWORKS Professionalを導入した後に、Autodeskから、無料で限られた期間使用できるInventor® 3D設計とVault® PDMシステムが提供されました。Standish氏の記憶によると、「Autodeskのツールを数カ月間試した結果、当社のエンジニアは実質的にSOLIDWORKSを使い続けることに合意しました。その理由になったのは、SOLIDWORKSを使って達成した進歩でした」「それ以来、当社はSOLIDWORKS Premium設計と解析ソフトウェア、SOLIDWORKS Electrical Schematics Professional電気設計、SOLIDWORKS Electrical 3D電気設計、SOLIDWORKS PDM Standard製品データ管理ソフトウェアを追加してきました。当社の第一号製品の98%を超える部分は、SOLIDWORKSを使って設計されたのです」
マルチボディ板金ツールによって時間を節約、パフォーマンスを向上
SOLIDWORKSを使用して、Arcimotoは開発プロセスの効率を上げただけでなく、構成部品の製造性も向上しています。たとえば、強度と剛性は最大限に高めながらも重量は最小限に抑えるという要求が、マルチボディ板金部品と溶接を使用したFUV車両のシャーシ作成につながりました。「SOLIDWORKSの板金および溶接設計ツールのおかげで、当社は車両シャーシの作成にマルチボディ板金部品を活用できています」とStandish氏は話します。「SOLIDWORKSを使用すれば、さまざまな厚さの板金部品を作成して組み合わせ、中心部からの各曲げ半径を制御できます。そのため、面倒なアセンブリを処理する必要がなくなり、接合面の変更が200までにも達することを防げます。SOLIDWORKSによって複数の板金部品を1つの部品に集約できるようになったので、設計変更がより迅速かつ容易になり、製造性も向上しています」