Jonathan Schroeder氏は、世界をリードするメカトロニクス リニア モーション メーカーのエンジニアリング マネージャーでした。Joe Binka氏も、そこで新製品の開発を率いるエンジニアを務めていました。世界初の大型3Dプリンタの発表に先駆けてイベントが次々に行われていた2013年です。Schroeder氏とBinka氏は新しい小型リニア アクチュエータに取り組んでいました。このアクチュエータはxyz座標モーション対応設計で3Dプリンタのモーションと自然に調和します。2人は以前に開発したどこでも遊べるチェス セットのような仕掛けを作成して見本市で使うことを話し合いました。「3Dプリンタがあれば、こういったものをもっと速く設計できるのに」とBinka氏が言うと、Schroeder氏は「新しいアクチュエータを使って大型の3Dプリンタを作ろう。そのプリンタを見本市に持って行ってアクチュエータを展示しよう」と答えました。
彼らはすぐに3Dプリンタを設計して2013年春の見本市に出品します。これが、現在3D Platformが販売している3Dプリンタの基になりました。大急ぎで作った3Dプリンタの方がアクチュエータよりも見本市で注目されたのです。そのリニア モーション メーカーの顧客の多くが大手3Dプリンタ メーカーだったことから、経営陣は顧客との競合を避けるために3D Platformの分社化を決定しました。現在、Schroeder氏は3D Platformの社長を務め、Binka氏は同社で積層造形エンジニアとして働いています。リニア モーション メーカーで最初の試作品を開発したときにはSOLIDWORKSを使用していましたが、独立した別会社になった3D Platformでは、2014年の創業時から希望する設計ソリューションをどれでも選択できました。
「他のソフトウェア パッケージをざっと見てみましたが、SOLIDWORKSを引き続き使うことにすぐ決めました」とSchroeder氏は振り返ります。「お客様の多くがSOLIDWORKSを使用していましたし、3Dプリント市場で大型機と特大機のビジネス チャンスをつかむために必要なスピードと柔軟性をSOLIDWORKSで得られると考えました」3D Platformは、SOLIDWORKS 3D製品開発プラットフォームを選択し、SOLIDWORKS Standard、SOLIDWORKS Professional、SOLIDWORKS Premium、SOLIDWORKS Electrical 3D、SOLIDWORKS Electrical Schematics、SOLIDWORKS PDM Professional製品データ管理(PDM)の各ソフトウェアを導入しました。理由は、使いやすいこと、3Dプリンタの構成を自動化する機能を搭載していること、そしてトレーニングを受けた幅広い人材プールを活用できることです。
トップダウン設計による柔軟性とスピード
3D Platformは、3Dプリンタの製品ライン開発にパラメトリック設計技法の観点からトップダウン方式のアセンブリを採用しました。これにより開発の柔軟性とスピードが向上しました。同社のエンジニアは、新製品をゼロから開発するのではなく、SOLIDWORKSを使用して既存設計を迅速に流用することができます。「すべてのアセンブリ設計がトップウダウン方式なので、合致とアンカー ポイントの場所がわかります」とBinka氏は説明します。「この方式を使用すると、プリント量のような作業要素から開始して、設計をより迅速に応用できます」「この方式をSOLIDWORKSで使用したところ、概念から試作までの所要期間がおよそ70日になり、従来の方式の6分の1でした」とBinka氏は続けます。「この機能により、市場初の大型3Dプリンタである当社オリジナル1×1m機が生まれ、すぐに最大4×8フィートのプリンタなどにもつながりました」